珍しい国産アボカドを入手したので、種を植えてみました。
スーパーで売っている輸入アボカドはほぼ全て耐寒性の無い「ハス」と呼ばれる品種ですが、今回入手した国産のアボカドは少し耐寒性のある「フェルテ」と呼ばれる品種です。
耐寒性のあるアボカドを屋外で育ててみたいなという興味があり、種を植えてみることにしました。
現在は冬なので、室内の温度でもアボカドの発芽には適していません。
そこで、最近使っていないヨーグルトメーカーを使って、水耕栽培で発芽するかテストしてみました。
結果としては2週間程度で種が開いて動き出すことが確認出来ました。
ゆくゆくは、寒さに強い品種のアボカドの苗を買って、接ぎ木してみたいなと考えています。
アボカドの品種について
アボカドは寒さに弱い植物なので、その中でも比較的寒さに強い品種を育てたいです。
スーパーで売っている物はハスと呼ばれる品種で、耐寒性は-2℃でイマイチです。
昔実生で育てていましたが、冬に外に出したところ、枯れてしまいました。
屋外で育てていくためには、台木用にするにしても、寒さに強い品種の種を植えたいです。
寒さに強い品種として、メキシコーラ(-6℃)かベーコン(-4.4℃)を狙っています。
何とか実を手に入れたいと探していましたが、今回は時期的にも手に入りませんでした。
その代わり、フェルテという品種の実を買うことが出来ました。
フェルテはベーコンよりは弱いですが-4℃程度の耐寒性があると言われています。
この実を美味しく頂いた後、種を水耕栽培で発芽させてみようと思います。
種は2つに割って植えることで、一つの種から二本の苗を得ることが出来るようです。(下記のYouTubeを参考にさせて頂きました)
種が貴重なため、トライしてみたいと思います。
種の隙間にギター用のピックのようなものを挿入し、2つに割りました。
上記で紹介されている論文では、2つに割った種の断面部は、下にして土に植えるようです。
今回は水耕栽培で様子を見てみます。
実生について
実生の木は完全に親木の性質を引き継ぐ訳ではないので、果実の味はもちろん耐寒性も変わっているかもしれません。
そこで、実生の苗を一年間育てて、外で冬越しさせて生き残ったものを台木として使おうと考えています。
ヨーグルトメーカーを使って発芽させてみる
水耕栽培の方法
種が発芽するまで、水耕栽培で育ててみます。
まず種の皮は除去しておきます。
乾燥させてから剥くのは大変だったので、湿っているうちにすぐに剥いておいたほうが良いかもです。
我が家は断熱性が無く夜寒いので、使っていないヨーグルトメーカーで保温してみました。
マニュアルで温度設定が出来るタイプで、25℃辺りが設定できるものが良いと思います。
今回使ったのはアイリスオーヤマの飲むヨーグルト対応のものです。
設定温度は28℃にしてみました。
この機種は最長で48時間まで連続運転できます。2日に1回再スタートが必要です。
短めのペットボトルを切って種を入れることで、3つ分まで積み重ねてヨーグルトメーカーに入れることが出来ます。
実際には乾燥防止でラップをしてヨーグルトメーカーに投入しています。
2つに割ったものは、種の断面を下にしています。(写真は上になってますが、後で直しました。)
今回は試していませんが、種を湿らせたミズゴケと一緒にまとめて袋に入れれば、もっと沢山同時にヨーグルトメーカーに投入できそうですね。
経過:約1週間後
冬ですが、ヨーグルトメーカーに入れる前一週間+入れて一週間で種が割れてきました。
種を2分割にした方も、片方は動きがあります。
もう片方は…あまり変化ありません。
経過:約2週間後
更に一週間で根が出てきました。
2分割にした方も、片方はしっかり根が出ています。
もう片方は…ダメかもしれません…
胚の先端の芽になる部分が片方に全部持っていかれちゃいましたかね?割った時点でそんな気もしていました。
なるべく早く土に植えて根を伸ばした方が成長が早いようなので、まだ室内は寒いですが、このタイミングで鉢(ロングポット)に植え替えました。
発芽してない片割れ君は、ヨーグルトメーカーに残してもう少し様子見します。
以前はずっとペットボトルで水耕栽培していましたが、一年以上たってもこの位のサイズ感です。
土に植えた場合はもっと大きくなってくれますかね~
経過:さらに2カ月後
ポットに植え替えてから2カ月が経過しました。
普通に植えた種の方は元気に葉が出てきています。
半分にした方の片割れは、土に植え替えてからまだ芽は出てきていません。
立てて植えた方が良かったかな?
もう片方はヨーグルトメーカーの中で温め続けたところ、やっと根が出てきました!
諦めなくて良かったです。
これから、土に植え替えてみます。
経過:さらに1カ月後
半分にした方の一つから芽が出てきました。
もう片方はポットに植えましたが、まだ根しか出ていません。
そのまま植えた方とはかなり成長スピードに差が出てしまいましたが、うまくいけば1つの種から2本の苗が作れそうです。
※手前がフェルテの種をそのまま植えた物です。奥に写っているのはスーパーで買ったハス種です。
今回使った鉢は下記のスリット鉢です。
アボカドの根が伸びやすいようにロング型のものにしてみました。
今後の予定
①育てたい品種をちゃんとしたお店で購入する。
今考えている購入先は、ゆす村農園さんです。
ここの苗はベーコンを使った台木で育てているようです。
今育てたいと思っている品種は下記になります。
耐寒性重視で選んでいます。(植える場所を探すのが先ですが…)
【開花タイプA】
メキシコーラ:耐寒性-6℃
メキシコーラグランデ:耐寒性-6℃
スチュワート:耐寒性-6℃
ウィンターメキシカン:耐寒性-5.6℃
【開花タイプB】
ベーコン:耐寒性-4.4℃
エッティンガー:耐寒性-4℃
フェルテ:耐寒性-4℃
スダノ:耐寒性-4℃
実をつけやすくするためには、開花タイプA・B両方を植える必要があります。
②買ってきた苗を育てて、実生の苗に接ぎ木する
特許登録された品種は勝手に増やしてはダメですが、フェルテやベーコンなどは比較的古い品種のようで、特許登録されてないか、特許切れで増やしても問題なさそうです。
実際に接ぎ木する前に、この点は良く確認する様にしましょう。
まとめ
国産アボカド「フェルテ」の実を購入したので、種を植えてみました。
冬ですが、ヨーグルトメーカーで保温して水耕栽培することで、2週間程度で種が発芽してくることを確認できました。
今後は、この苗を育てて、耐寒性の強い品種を接木してみたいと思います。
品種苗はまだ購入していませんが、接ぎ木の練習をしてみたので、下記の記事にまとめてみました。
参考文献
米本仁巳(2007):新特産シリーズアボカド:農文協
栽培方法や品種、接ぎ木の方法などが詳しく書かれています。
東愛理(2021):国産アボカド栽培入門 (農Bizムック) :イカロス出版
ゆす村農園の人が書かれた本のようです。