【8ch電子ボリュームIC】NJU72343を勝手に評価する基板を作ってみた

NJU72343電子ボリューム基板 自作基板
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日清紡マイクロデバイス(旧:新日本無線)製の8ch電子ボリュームIC、NJU72343を使ってみたくて、勝手に評価する基板を作ってみました。

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電子ボリュームICとは

私が良く作っている電子工作でのアンプの入力電圧の調整は、写真の様な可変抵抗器を使って分圧することで音量などを調整しています。

可変抵抗器の例

電子ボリュームICは、デジタル制御によって通常の可変抵抗と同様に抵抗値を変更させて、音量などを調整することが出来る部品です。

電子ボリュームを使うメリットとしては下記が上げられます。
・物理的にツマミを回さなくても、マイコンなどで音量を調整できる(リモコン調整も可)
・機械的な部品が無いため、接触不良や摩耗の心配がない
・可変抵抗器よりも正確に設定できる(左右Ch間の誤差など)

デメリットとしては、使用するのにマイコンや、マイコンを使った制御の知識が必要という点でしょうか。

NJU72343について

今回使用する電子ボリュームIC、NJU72343についての情報です。
秋月電子で購入しました。

形名:NJU72343V
メーカー:日清紡マイクロデバイス(旧:新日本無線)
入力チャンネル数:8ch(独立制御)うち、4chは2chの入力セレクタを内蔵
電源電圧:±4.5~±7.5V(単電源時は9V~15V)
パッケージサイズ:SSOP32

ボリューム調整レンジ:+31.5dB ~ -95dB、/0.5dBステップ
↑レンジがプラス側にもあるということは、増幅もできるということでしょうか?

メーカーのホームページは下記

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回路図

今回の回路図は下記になります。

電子ボリューム回路図

基本はデータシートの応用回路図(両電源動作)の通りです。

制御のために、コネクタ(J5)を通して、Arduinoなどのマイコンボードと接続する必要があります。

8chと多くて自分では持て余しそうなので、出力側にミキサー回路を入れてみました。
不要な場合はピンヘッダ(J7)から出力信号を取り出します。

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部品リスト

部品リストは下記になります。

品名参照名数量数値・仕様規格・フットプリント
電子ボリュームICU11NJU72343VTSSOP-32
6.1x11mm_P0.65mm
秋月電子:I-17100
オペアンプU2, U32NJM4580DDDIP-8_W7.62mm
秋月電子:I-00069
抵抗R1-R8
R11, R12
R17, R18
12100kΩアキシャルリード
(DIN0207)P10.16mm
1/4Wサイズ
抵抗R9, R10
R13-R16
610kΩアキシャルリード
(DIN0207)P10.16mm
1/4Wサイズ
抵抗R19, R202100Ωアキシャルリード
(DIN0207)P10.16mm
1/4Wサイズ
抵抗R21, R222470kΩアキシャルリード
(DIN0207)P10.16mm
1/4Wサイズ
コンデンサC1311uFフィルムコンデンサ
D9mm_W6.4mm_P7.5mm
秋月電子:P-09792
コンデンサC14, C1520.1uF1608サイズ
秋月電子:P-13374
コンデンサC16, C17
C30, C31
C34, C35
60.1uFフィルムコンデンサ
D9mm_W5mm_P5.0-7.5mm
秋月電子:P-09790
コンデンサC18, C192100uF電解コンデンサ
直径:~12.5mm
ピッチ3.5-5.0mm
コンデンサC1-C12
C20-C27
C36, C37
2210uFカップリングコンデンサ
電解コンデンサ:ピッチ5mmに加工
秋月電子:104621など
または、チップコンデンサ4532サイズ
薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP)
秋月電子:108057など※セレブ用
コンデンサC28, C29
C32, C33
4100uF電解コンデンサ
直径:6.3mm、ピッチ2~2.5mm
秋月電子:P-10271
ピンヘッダJ1, J2, J7312pin
2.54mmピッチ
秋月電子:C-00167
折って使う用
ジャンパJ31ショートアドレス選択
VccかGNDにショートしてください。
ピンヘッダJ413pin
2.54mmピッチ
秋月電子:C-03949
コネクタJ5, J62XHコネクタコネクタ:JST_XH_B3B-XH-A
3ピン_P2.50mm
秋月電子:C-12248
コネクタJ8, J92XHコネクタコネクタ:JST_XH_B2B-XH-A
2ピン_P2.50mm
秋月電子:C-12247

信号入出力のカップリングコンデンサが大量に必要なため、予算的に電解コンデンサを使いました。
※一応、面実装タイプの薄膜高分子積層コンデンサ(PMLCAP)も使えるようなパターンにしています。

KiCADで基板設計

今回もフリーの基板CADである、KiCADを使って基板設計を行います。

リード部品の抵抗を使ってミキサー回路を組むと、基板サイズ50mm×100mmに収まりそうになかったので、小型化する気がゼロになり、100mm×100mmで作りました。

KiCADでパターン設計

3Dビュー表示

表側

3Dビュー表示:表側

裏側

3Dビュー表示:裏側

部品レイアウト

表側の部品配置図です。

部品レイアウト:表側

裏側は部品無しです。(はんだ面)

部品レイアウト:裏側

Elecrowで製作した基板

今回もElecrowに発注しますが、単品の基板サイズが100mm×100mmなので、多面取り(パネライズ)はせずにそのまま発注します。

到着した基板が下記になります。

Elecrowで製作した基板

【仕様】…毎回同じですが
基板板厚:1.6mm
銅箔厚:35µm(1oz)
レジスト色:黄色
表面処理:鉛フリー半田レベラー

下記のElecrowの1ドルキャンペーン時に注文した基板です。

組み立て

部品を実装してみました。

電子ボリューム基板組み立て後

カップリングコンデンサは極性ありのものでも良いですが、一応オーディオ用の無極性品(MUSE ESシリーズ:10µF、25V)を使ってみました。

今、秋月電子でみたら販売終了になっていますね。
貴重なものを大量に消費してしまいました。

電子ボリューム基板組み立て後2

裏側

電子ボリューム基板組み立て後:裏側

まとめ

秋月電子で売っている、日清紡マイクロデバイス(旧:新日本無線)製の8ch電子ボリュームIC、NJU72343を使ってみたくて、勝手に評価する基板を作ってみました。

基板の組み立てまでは出来たので、あとは私の苦手とする?マイコンのプログラムの作成です。

動作確認が出来たら、また更新します。

参考文献

川田章弘:OPアンプ活用成功のかぎ、p44:CQ出版
ミキサー回路

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