LT1930の昇圧DC/DCコンバーター基板その2(動作確認)

LT1930の昇圧DC/DCコンバーターモジュール自作基板

秋月電子で買えるAnalog Devices社製の昇圧スイッチングレギュレータIC、LT1930を使った昇圧DC/DCコンバータの基板を作ってみました。

このページでは、製作と動作確認の結果をまとめます。
前編(回路図・部品表など)は下記のページを参照ください。

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組み立て

組み立て後の写真です。
LT1930含め、面実装部品は裏面(S面)に置くイメージで作っています。

LT1930の昇圧DC/DCコンバータ:組み立て後、C面
LT1930の昇圧DC/DCコンバータ:組み立て後、S面

動作確認

入力電圧5Vを印加した状態で、可変抵抗RV1を回して出力電圧を15Vに調整しました。

また、モバイルバッテリーを電源として、マイクロUSB端子に接続した状態で動作することを確認しました。

LT1930の昇圧DC/DCコンバータ:動作確認

波形を確認してみる

下記の条件で動作時の波形を確認してみます。

入力電圧:5V
出力電圧:15V
負荷抵抗:100Ω(出力電流:約150mA)

コイル部のスイッチング電圧波形

LT1930のSW端子(1番ピン)の電圧をオシロスコープで測定してみました。

コイル部のスイッチング電圧波形

スイッチング周波数は約1.14MHz
Duty比は約68%です。(100Ω負荷時のON時間)

EMIフィルタ前のリプル電圧波形

出力電圧の変動(リプル電圧)をオシロスコープで測定してみました。
EMIフィルタ(今回はムラタ BNX002-01を使用)の前と後でどのくらい変化があるか比較してみました。

リプル電圧波形:EMIフィルタ前の測定結果

約33mVppのリプル電圧が発生しています。
※スイッチングのサージ電圧も込みで約38mVpp

スイッチのターンOFF時にコイルからの電流で電圧が上昇、ターンON時はコンデンサにたまっている電荷を使うので電圧が低下…という感じでしょうか。

EMIフィルタ後のリプル電圧波形
リプル電圧波形:EMIフィルタ後の測定結果

ムラタのEMIフィルタ(BNX002-01)後のリプル電圧を測定。
ほぼ確認できないくらい小さくなっています。
スイッチング周波数が高いためか、とても効果がありますね。

スペアナ機能でノイズを測ってみる

アクティブラーニングモジュールADALM2000のスペアナ機能で先ほどのリプル電圧の周波数成分を測ってみます。

動作条件はリプル電圧測定時と同じで、16回平均させた結果になります。
入力電圧:5V
出力電圧:15V
負荷抵抗:100Ω(出力電流:約150mA)

EMIフィルタ前の測定結果
スペクトラムアナライザ:EMIフィルタ前の測定結果

スイッチング周波数の1.14MHz付近にピークがあります。
あと、186kHz付近にも何かあるようです。

EMIフィルタ後の測定結果
スペクトラムアナライザ:EMIフィルタ後の測定結果

フィルタ後では、ほぼ無くなりました。
※ADALM2000の入力ショート状態とほぼ同じです。

変換効率の測定

手持ちのテスター類で入出力電圧・電流を測定して変換効率を確認してみました。
あり合わせのジャンク測定器なので、精度は無いので参考までに。

【測定条件①】
入力電圧:5V設定
出力電圧:15V設定
出力電流:50mA、100mA、150mA、180mA

下記の電子負荷装置DL24を使いました。

入力電圧・電流の確認結果【測定条件①】
入力電圧(V)入力電流(mA)入力電力(W)
4.850199.20.966
4.682390.41.828
4.430642.32.845
4.330813.93.524

今回の実験では、配線と電流測定のシャントのせいで、入力電圧がドロップしています。
昇圧回路としては、より厳しい条件になってしまいました。

出力電圧・電流の確認結果【測定条件①】
出力電圧(V)出力電流(mA)出力電力(W)
14.989500.749
14.9841001.498
14.9571502.244
14.9151802.685

出力電流200mA以上は入力電流がリミットの1.2A付近になり不安定になったので中止しました。

変換効率の確認結果【測定条件①】
出力電流(mA)効率(%)
5077.58
10081.98
15078.85
18076.18

入出力電圧のドロップの影響もあり、昇圧比が3倍以上と高いためか、思ったより変換効率が低くてイマイチです。

そこで、入力電圧・出力電圧の条件を下記のように変えて測ってみました。

【測定条件②】
入力電圧:9V設定
出力電圧:12V設定
出力電流:50mA~500mA

入力電圧・電流の確認結果【測定条件②】
入力電圧(V)入力電流(mA)入力電力(W)
8.95083.40.747
8.890155.91.386
8.830231.32.042
8.766306.12.683
8.701385.13.351
8.633464.44.009
8.560547.54.686
8.485632.95.370
8.402721.96.065
8.310817.36.792
出力電圧・電流の確認結果【測定条件②】
出力電圧(V)出力電流(mA)出力電力(W)
12.010500.601
12.0061001.201
12.0011501.800
11.9962002.399
11.9912502.998
11.9863003.596
11.9803504.193
11.9734004.789
11.9634505.383
11.9525005.976
変換効率の確認結果【測定条件②】
出力電流(mA)効率(%)
5080.43
10086.63
15088.14
20089.41
25089.47
30089.69
35089.48
40089.18
45088.76
50087.99

昇圧比1.33倍と条件が緩い条件では、変換効率も最大89.7%になりました。
効率90%の壁は超えられませんでした。

まとめ

秋月電子で買ったAnalog Devices社製の昇圧スイッチングレギュレータIC、LT1930を使った昇圧DC/DCコンバータの基板モジュールを作って、動作確認してみました。

スイッチング周波数1.2MHzと、ムラタのEMIフィルタ(今回はBNX002-01)の組み合わせで、低ノイズな昇圧DC/DCコンバータを作ることが出来ました。

また、昇圧比をあまり欲張らなければ、高い変換効率で動作することを確認しました。

この昇圧DC/DCコンバータモジュールを使って、モバイルバッテリーを電子工作用の電源として利用したいな~と考えています。


前編(回路図・部品表など)は下記のページを参照ください。

自作基板電子工作
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