中華トランジスタテスター Bside ESR02PROを購入してみた

計測機器
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中華製のトランジスタテスター、Bside製ESR02PROを購入してみたので紹介します。トランジスタやMOSFET、ダイオードなどを、適当に接続するだけでピン配列や特性を表示してくれる便利な装置です。
また、LCRテスターとしても使えます。最近のテスターはコンデンサを測れるものが多いですが、インダクタを測れるものは少ないのでうれしいですね。

もっと安くて、バッテリー内蔵で便利そうなものもありましたが、長期的に見てバッテリーがネックで壊れそうで怖かったのでこちらにしました。(PROという型名に釣られただけかもしれませんが)

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開封・外観

箱の写真
もう慣れましたが、箱は毎回潰れています。
箱開封
丈夫な箱なので、本体はノーダメージでした。

ESR02PRO本体には、バナナプラグのリードを指す部分と、直接差し込む部分、表面実装部品を乗せて計るパット部分があります。

もう一カ所は、コンデンサ測定前に放電させる抵抗がついています。

電源は角形9V電池です。最近は角形9Vのテスターばかり買ってしまい、増えてきています。
この電池は、飽きて長期間放置したりすると、液漏れしてしまう習性があるので注意が必要ですね。
外部電源を接続する端子(DC9V~12V)もあります。

裏面の電池ボックス
裏面の電池ボックス(角型9V電池)
DC外部入力端子
DC入力:極性は表示が無いので調べてみる必要あり
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動作確認

動作確認のため、家に眠っていた半導体部品を測定してみました。
購入した部品もありますが、部品取りした中古の部品もあります。
そういった部品の判別や生死も確認出来るので便利ですね。

学生時代の頃は、ハードオフのジャンクコーナーで数百円で昭和時代のビデオデッキなどを買ってきては、バラして基板からはんだシュッ太郎で部品を取って集めるという行動をしてました。
我ながら変態ですね。
しかし、部品の種類などに詳しくなれて良い勉強になりました。

部品取りや交換修理を行いたい方には、はんだシュッ太郎をおすすめしておきます。

キャリブレーション方法

本体のリードを直接挿す部分にTO-92パッケージのトランジスタを挿すと、意外とバネが強くて折れ曲がってしまうので、今回は下記の写真の様なICクリップを使ったプローブを自作しました。
なので、測定前にちゃんとキャリブレーションをした方が良さそうです。

手順は、下記になります。

  1. 端子1、2、3を全てショートさせてから、POWER/TESTボタンを押します。今回はカットした部品のリード線を使用しています。
  2. モニタに「Selftest mode..?」と表示が出るので、すぐにPOWER/TESTボタンをもう一度押します。
  3. 短絡時の抵抗値が表示された後、「isolate Probes!」と表示されるので、すぐにショートさせていたプローブを外して接触させない状態にします。忙しいですね。
  4. プローブを外すと、自動的に開放時の配線容量が測定された後、「OK」と表示されてキャリブレーションが終了します。
製作したプローブ
製作したプローブ
キャリブレーション方法1
ショートさせて電源を入れた状態
キャリブレーション方法2
POWER/TESTボタンを押した後
キャリブレーション方法3
「isolate Probes!」と表示されたらICクリップを外す(バナナ側を抜いてはダメです)

トランジスタの測定

早速トランジスタを測定してみました。
エミッタ・コレクタ・ベースのピン配列が判るのが便利ですね。
Bは、hFE(電流増幅率:β)、VfはVBEを表示しているようです。

NPNトランジスタ 2SC1730
NPNトランジスタ 2SC1730
NPNトランジスタ 2SD1513
NPNトランジスタ 2SD1513
NPNトランジスタ 2SC2555
NPNトランジスタ 2SC2555
PNPトランジスタ 2SA999
PNPトランジスタ 2SA999

MOSFETの測定

MOSFETも測定してみました。
ゲート・ソース・ドレインのピン配列以外に下記も表示されています。
C:ゲート入力容量
Vt:ゲートしきい値電圧Vth
Vf:寄生ダイオードの順方向電圧Vf

Nch MOSFET 2N7002
面実装タイプのNch MOSFET 2N7002
面実装タイプの部品も直接置けるので便利ですね。※測定中は上からピンセットでそっと押しています。
Nch MOSFET 2SK734
Nch MOSFET 2SK734
東芝製Pch MOSFET:TJ11A10M3
東芝製Pch MOSFET:TJ11A10M3
Pch MOSFET:2SJ178T
NEC(ルネサス)製Pch MOSFET:2SJ178T

ダイオードの測定

ダイオードを測定してみました。
アノード・カソードのピン配列のほか、順方向電圧(Vf)、端子間容量(C)、逆方向電流(IR)も確認できます。

詳細不明のダイオード
レトロな外観の詳細不明なダイオード
日本インター製:11EQS06
日本インター製:11EQS06
ショットキーバリアダイオードの特徴のVf低め、逆電流大きめが確認できます。
PANJIT製:SK54
PANJIT製:SK54
面実装タイプのショットキーバリアダイオードです。大き目のパッケージですが、ギリギリパッドに入りました。
東芝製:20JL2C
東芝製:20JL2C
2素子入りのダイオードも確認できました。Vf以外のパラメータは出てきていません。
青色LED
青色LEDも通常のダイオードと同様に測定できました。

JFETの測定

JFETも測定してみました。
ドレイン電流が測定されているようですが、@Vg=0.96Vとあるので、IDSSではないのかな?

東芝製JFET:2SK30A
東芝製JFET:2SK30A

抵抗値の測定

抵抗値の測定範囲:0Ω~50MΩ、分解能0.01Ω
分解能が0.01Ωなので、ある程度小さい抵抗も測定することが出来そうです。

2.2Ωの抵抗
2.2Ωの抵抗

3.9MΩの抵抗
3.9MΩの抵抗

5kΩの可変抵抗
5kΩの可変抵抗
3端子の抵抗値が測定出来ています。

コンデンサの容量測定

コンデンサの測定範囲:25pF~100mF、分解能1pF
コンデンサのESR:分解能0.01Ω(2μF~50mFの範囲のもの)

コンデンサが充電されている可能性がある場合は、左下の①と書いてある電極にリードをあてて放電させることが出来ます。故障を防ぐために必ずやりましょう。

フィルムコンデンサ:150pF
フィルムコンデンサ:150pF
分解能1pFなので、小さいコンデンサも測定できます。
電解コンデンサ:22μF
電解コンデンサ:22μF
ある程度の容量のコンデンサだと、ESRが測定されるようです。

コイルのインダクタンス測定

インダクタの測定範囲:0.01mH~20H、分解能:0.01mH

最小0.01mHなので、デジタルアンプに良く使う10μH前後のインダクタンスのコイルは、小さすぎて測定が難しそうです。
こういうモノは、LCRメーター(DE-5000)を使用する必要がありそうです。

MITSUMI製:22mHのコイル
MITSUMI製:22mHのコイル
サガミエレク製コイル:7G14C-220M-R
サガミエレク製コイル:7G14C-220M-R
22μHのコイルは小さすぎて測定出来ていません。

その他部品測定

その他の部品としては、サイリスタとトライアックが測定可能なようですが、あいにく持ち合わせておりません。

試しに、IGBTと三端子レギュレータを測定したらどうなるか確認してみました。

三菱製IGBT:CT60AM
三菱製IGBT:CT60AM
故障しているのかどうかは不明ですが、ダイオードとして検出されました。
3端子レギュレータ?:N317
三菱製 3端子レギュレータ?:N317
これは不明なパーツまたはダメージ品と出ました。

まとめ

中華製のトランジスタテスター、Bside製ESR02PROを購入してみたので紹介してみました。
半導体のピン配列や種類の判別、バラツキ確認、生死確認が出来るので、一家に一台持っていれば役に立つかもしれません。

LCRメーターとしても使用することができます。インダクタがもっと小さいものが測定出来れば良かったですが…そこは別記事で紹介している秋月で買ったDE-5000を使用することにします。

参考リンク

私はアリエクスプレスで購入しましたが、Amazonでも購入可能なようです。ただし、国外発送のようなのでご注意ください。

表面実装部品をあまり測らない方でしたら、国内発送の似たような製品を買っても良いかもしれません。下記は、今回のESR02PROとどちらにするか悩んだ製品です。
接続はゼロプレッシャーソケットになってます。また、リモコンのデータコードを読む機能もあるようです。
バッテリー内蔵なのが便利そうですが、長期的に見て不安だったので私はやめました。

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