NJW1616を使った降圧DC/DCコンバーターその2(動作確認)

NJW1616の降圧DC/DCコンバータ 自作基板
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秋月電子で買った降圧スイッチングレギュレータIC、NJW1616を使った降圧DC/DCコンバーター基板を作ってみました。

このページでは、製作と動作確認の結果をまとめます。
前編(回路図・部品表など)は下記のページを参照ください。

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組み立て

いきなりですが完成後の写真になります。

製作したNJW1616降圧DC/DCコンバーター(C面)
製作したNJW1616降圧DC/DCコンバーター(S面)

主役であるスイッチングレギュレータIC:NJW1616は裏面(S面)にあります。
背の高い部品が周りにあると、壊れた時に交換出来なくなりそうだったからです。
リード部品を無理に使おうとしなければ、もっと基板を小型化できそうですね。

※黄色いレジストですが、無水エタノールで拭くと少し白っぽいモヤが発生します。
黄色だから目立つだけでしょうか?
それ以外は気に入っているんですが…

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動作確認

入力電圧に12Vを入れて出力を確認。
初期の出力電圧は3.3V程度だったので、可変抵抗RV1を回して5Vに調整しました。

波形を確認してみる

オシロスコープでリプル電圧を確認してみます。
負荷は15Ωの抵抗を接続しました。(出力電流は約333.3mA)

スイッチング周波数500kHzと高く、かつムラタのEMIフィルタ(今回はBNX002-01を使用)を組み合わせることで減っていることを期待…

EMIフィルタ前のリプル電圧波形
EMIフィルタ前のリプル電圧波形

リプル電圧:6.4mVpp
スイッチング周波数:490kHz
スイッチング時のサージ電圧が40mVppほど出ていることが確認できます。

EMIフィルタ後のリプル電圧波形
EMIフィルタ後のリプル電圧波形

EMIフィルタによって、リプル電圧はかなり小さくなりました。
スイッチング時のサージ電圧も14mVpp程度になっています。

スペアナ機能でノイズを測ってみる

以前購入したアクティブラーニングモジュールADALM2000を使って、スペクトラムアナライザ機能でノイズを測定してみました。

負荷は同様に15Ωの抵抗を接続。(出力電流は約333.3mA)
16回平均させた結果になります。

EMIフィルタ前の測定結果
スペクトラムアナライザ測定結果:EMIフィルタ前

フィルタ前では、スイッチング周波数500kHz付近よりも、5MHz付近にピークが見られます。

EMIフィルタ後の測定結果
スペクトラムアナライザ測定結果:EMIフィルタ後

フィルタ後では、ほぼ無くなりました。

【参考】スペアナ入力ショート時
ちなみに、ADALM2000の入力ショート状態だとこの結果です。

スペクトラムアナライザ測定結果:ADALM2000の入力ショート状態

フィルタ後の結果とほぼ同じに見えます。
シールドとかを頑張ればもう少し改善するかもしれませんが、ADALM2000自身のノイズ等での測定限界でしょうか。

変換効率の測定

手持ちのテスター類で入出力電圧・電流を測って変換効率を確認してみました。
あり合わせのジャンク測定器での測定なので、参考までに。

【測定条件】
入力電圧:12V設定
出力電圧:5V設定
出力電流:100mA、200mA、300mA、500mA

下記の電子負荷装置DL24を使いました。
※ノイズ波形測定の時は、これを使うと電子負荷からのノイズがかなり大きかったので使いませんでした。

出力電圧・電流の確認結果
出力電圧(V)出力電流(mA)出力電力(W)
4.9891000.499
4.9842000.997
4.9813001.494
4.9804001.992
4.9785002.489
入力電圧・電流の確認結果
入力電圧(V)入力電流(mA)入力電力(W)
11.99347.80.573
11.97493.31.117
11.955140.41.678
11.935187.82.241
11.914237.12.825
変換効率の確認結果
出力電流(mA)効率(%)
10087.06
20089.21
30089.04
40088.88
50088.11

出力電流100mA~500mAの間で、変換効率は87%~89%あたりのことを確認出来ました。
NJW1616の実力を発揮できているかは不明ですが、なかなかの高効率です。
効率90%を達成できなかったのは残念ですが…

ただし、出力電流が大きくなるにつれて、出力電圧も低下しているのが気になります。
いわゆるロードレギュレーションが悪いというヤツですね。

基板の配線パターンのドロップもあると思いますが、心当たりとしては、フィードバックの配線を電解コンデンサ(C6)の後から引いたのが良くなかったかな~と思います。
IC直近のセラミックコンデンサ(C5)あたりから配線すればもっと良くなったはずです。(その間の電圧ドロップが影響する)

部品実装前の基板写真
コンデンサ(C6)の後というか、EMIフィルタ(FL1)の足から配線していますね。

これは次回改善したいですね。(その前にジャンパして確認か…)

まとめ

秋月電子で買った降圧スイッチングレギュレータIC、NJW1616を使った降圧DC/DCコンバーター基板を作ってみました。

後半の記事では、製作と実際に動作確認を行ってみました。

スイッチング周波数500kHzと、ムラタのEMIフィルタ(BNX002-01)の組み合わせで、結構低ノイズなDC/DCコンバータを作ることが出来ました。
変換効率も87%~89%となかなかの高効率です。

今後の改善点としては、パターンの見直しでのロードレギュレーションの改善と、もっと小型化を頑張りたいと思います。

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