アリエクスプレスで買ったUSB PDトリガーデバイスを動かしてみましたので紹介します。
USB PDトリガーデバイスを使用することで、USB PDに対応しているACアダプタやモバイルバッテリーがあれば、5Vより高い電圧が取り出せるので、電子工作の電源に使うのに便利そう…と思い購入してみました。
USB PDトリガーデバイスとは
USB PDとは「Power Delivery」の略で、USBを電源として使用する規格のようなものです。
USB PDに対応した電源と機器を接続することで、USBコネクタから5V以外の9V、15V、20Vなどの電圧で電源供給することが出来ます。
最近のスマホやノートパソコンの充電時に良く使われていますね。
普通はUSB PDに対応した機器をUSB Type-Cでつながないと作動しないのですが、このUSB PDトリガーデバイスを接続すると、基板上にあるICによって、電源側がUSB PDに対応した機器と認識するので、好きな電圧を出力させることが出来ます。
※電源側はUSB PDに対応したものが必要です。
また、使い方を間違うと、接続した機器に過電圧が掛かって壊してしまう懸念があるため、注意してください。
購入したもの
今回購入したUSB PDトリガーデバイスは下記になります。


アリエクスプレスで以前電子負荷を購入したことのある、ATORCHのショップで買いました。
【仕様】
5V、9V、12V、15V、20Vをタクトスイッチで切り替えるタイプです。
一度抜いても、前回の電圧設定が保持されます。
入力端子はUSB Type-C(オス・メス両方あります)
出力端子はUSB Type-A
使われている部品

一番大きいIC:HK32F030MF4P6
形名を調べるとARM-Cortex-M0マイコンのようです。
10ピンのICは形名の表記無く、わかりません。
これがUSB PD用のICでしょうか。
動作確認
USB PD対応のモバイルバッテリーに接続
今回使用するモバイルバッテリーです。
20000mAhと大容量で、USB PDにも対応していたので、買ってみました。
対応している電圧は5V、9V、12Vです。
USB PDトリガーデバイスの基板上のボタンを押すことで、電圧設定が変わります。
電子負荷DL24を使用して定格電流を流してみました。
・9Vで動作確認
・12Vで動作確認
電圧を上げることで、ケーブルでの電圧降下の影響が減るのが良いですね。
このモバイルバッテリーは、15V、20V出力は対応していないので、ボタンを押しても自動的にスキップされます。
ちなみに、使用した電子負荷DL24は下記になります。
スマホ付属のACアダプタに接続
今回使用するACアダプタは、ASUS製のスマホに付属していた下記のものです。
対応している電圧は5V、9Vです。
しかし、トリガーデバイスを接続しても9Vは出力出来ませんでした。
これは、このACアダプタがUSB PDではなく、QC(Quick Charge)対応のものだからかなと思います。
USB急速充電の規格には、USB PD(Power Delivery)とQC(Quick Charge)など複数あります。
このACアダプタが、両方対応してないかな~と少し期待して試してみましたが、ダメなようです。
※そもそも、USB PDはUSB Type-Cにしかない信号線を使っているようなので、Type-A出力のアダプタでは動くわけ無かったですかね。
USB PD対応のアダプタの例
私は少し古いACアダプタしか持っていないですが、下記の様な最新のものでは、15V、20Vの出力にも対応しています。
最近、100均(ダイソー)でもUSB PD対応のACアダプタを見かけたので、近々買ってみようと思います。
※追記:購入したので試してみました。
まとめ
アリエクスプレスで買ったUSB PDトリガーデバイスを試してみました。
USB PDに対応しているACアダプタやモバイルバッテリーがあれば、直接5V以外の電圧が取り出せるので、電子工作の電源に使うにも便利ですね。
これを使えば、直接15V等の高電圧を出力出来るので、下記で私が作ったような昇圧DCDCコンバーターは要らないということになりますね。/(^o^)\
参考リンク
私はアリエクスプレスで購入しましたが、類似のUSB PDトリガーデバイスはAmazonでも売っています。
全く同じものではないと思うので、買う場合は良く確認してください。