TI製TPA3118D2を使用したデジタルアンプ基板の製作

自作基板
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はじめに

アナログ半導体天下のTexas Instruments(TI)製、TPA3118D2を使用したデジタルアンプ基板の製作を行いました。

このD級アンプICは秋月電子で350円で購入でき、PBTLモードで動かすことでモノラルですが2倍の出力(60W)になるため、昔から興味がありました。

そして、中華D級オーディオアンプでもこのシリーズのICはよく採用されており、格安オーディオとしての実績も十分です。
むしろそれらが安すぎて(基板モジュールだとAmazonで数百円です。)作る意味があるのかと自問自答していましたが、連休中暇だったので基板を作ってみることにしました。

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回路図

回路図はデータシートを参考にしてます。また、後継としてTPA3156D2というICもあるようで、この評価ボードも参考にしました。なので、TPA3156D2を載せても動くはずです。

せっかく作るので、格安基板の様に全てセラミックコンデンサではなく、音質に影響有るとされる出力フィルタ回路や入力カップリングコンデンサなどに大きめのフィルムコンデンサを使えるようにしてみました。

動作はPBTLモード前提なので、基板1枚でモノラル動作になります。入力信号は差動入力で、シングルエンド入力の場合はVin-とGNDをショートさせます。電源電圧は単電源12V~24V辺りを想定してます。

また、チップ部品でも試せるようにパラで部品パッドを配置しています。貧乏性の悪い癖です。スイッチング周波数や、変調モードをジャンパで変更して実験できるようにしています。

格安基板モジュールとの比較は、、、今のところ予定しておりません。
また、まだ組み立てて動作確認出来ていませんので参考程度に見てください。

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部品リスト

品名参照名数量数値・仕様規格・フットプリント備考購入先(コード)単価(2020.5時点)小計(円)
抵抗R111k1608サイズ例:RC0603J1K
±5%、1/10W、50V
秋月電子、R-141220.1960.196
抵抗R61OPEN1608サイズ00
抵抗R715.6k1608サイズ例:RK73B1JTTD562J共立電子、ABO36X55
抵抗R2, R3,
R4, R5,
R8, R10,
R12
7100k1608サイズ例:RC0603J100K
±5%、1/10W、50V
秋月電子、R-061040.21.4
抵抗R913.31608サイズ※3.3Ωを売ってる場所が見つからないので
とりあえず0Ω(ジャンパ)で
00
抵抗R1114.7k1608サイズ※SYNC端子を使わない場合不要
例:RC0603J4K7
±5%、1/10W、50V
秋月電子、R-141210.1960.196
抵抗R1312.2kアキシャルリード(DIN0207)
1/4Wサイズ
例:MF1/4CC2201F秋月電子、R-0338333
抵抗R14, R1523.3アキシャルリード(DIN0309)
1/2Wサイズ
※1/4Wでも良いかも
※R16,17と排他(注:C32,33とペア)
例:CF25J3R3B
例:酸化金属抵抗1W3.3Ω、共立電子、4CD134
秋月電子、R-1426912
抵抗R16, R1703.33225サイズ※R14,15と排他(注:C34,35とペア)0
コンデンサC1, C201uフィルムコンデンサ D13.0mm_W6.5mm
ピッチ5~10mm
入力カップリングコンデンサ
※C3,4と排他、もしくはパラ
例:MEM105J101RB-5
秋月電子、P-14602400
コンデンサC3, C421u3216サイズ入力カップリングコンデンサ
※C1,2と排他、もしくはパラ
例:25MU105MA23216
秋月電子、P-0739770140
コンデンサC511u3216サイズ例:25MU105MA23216秋月電子、P-073977070
コンデンサC17, C1821u3216サイズ電源デカップリング
例:25MU105MA23216
秋月電子、P-0739770140
コンデンサC610.01u1608サイズ例:CM105W5R103K50VAT秋月電子、P-1339911
コンデンサC701u1608サイズ※C5と排他、もしくはパラで1μF
例:GRM188R71E105KA12
秋月電子、P-1452655
コンデンサC8, C12,
C13
30.1u1608サイズ例:GRM188F11H104ZA01、村田秋月電子、P-133742.57.5
コンデンサC9147p1608サイズ※SYNC端子を使わない場合不要
例:GRM1882C1H470JA01
秋月電子、P-054392.52.5
コンデンサC10, C1121000p1608サイズ例:GRM1882C1H102JA01秋月電子、P-092851.83.6
コンデンサC14, C15,
C16, C19
40.22u1608サイズ例:GRM188B31E224KA87
※本当はX7R品を使いたい
秋月電子、P-0562214
コンデンサC20, C21,
C22, C23
4470u電解コンデンサ
直径:12.5mm
ピッチ3.5~5mm
例:35ZLH470MEFC10X16秋月電子、P-0271940160
コンデンサC24, C2520.68uフィルムコンデンサ D13.0mm_W6.5mm
ピッチP5~P10mm
※C26,27と排他、もしくはパラで0.68μF
例:MTFFA0050J68(日精電機,50V,0.68μF)
共立電子、G5612N72144
コンデンサC26, C2700.68u3216サイズ※C24,25と排他、もしくはパラで0.68μF0
コンデンサC28, C2921000pフィルムコンデンサ D9.0mm_W4.0mm
ピッチ5~7.5mm
※C30,31と排他、もしくはパラで1000pF
例:MEM102J101RB-5
秋月電子、P-145871530
コンデンサC30, C3101000p3216サイズ※C28,29と排他、もしくはパラで1000pF
例:100ST102MA13216
秋月電子、P-06736700
コンデンサC32, C3320.01uフィルムコンデンサ D9.0mm_W4.0mm
ピッチ5~7.5mm
※C34,35と排他
例:MEM103J101RB-5
秋月電子、P-145921530
コンデンサC34, C3500.01u3216サイズ※C32,33と排他
例:100MU103MA13216
秋月電子、P-12593700
ダイオードD11SK54DO-214ABショットキーバリア
※電源逆接防止用、不要ならショートで
秋月電子、I-041282020
LEDD21LED直径5mm
赤色
例:OSR7CA5111A秋月電子、I-047811515
D級アンプICIC11TPA3118D2DAP32pin HTSSOPステレオD級パワーアンプIC秋月電子、I-10720350350
コネクタJ213pin
5.08mmピッチ
汎用端子台秋月電子、P-013073030
コネクタJ3, J922pin
5.08mmピッチ
汎用端子台秋月電子、P-013062040
ピンヘッダJ4, J5,
J6, J7
4ピンヘッダ 1×3pin
2.54mmピッチ
動作設定ジャンパ用
例:PH-1x40SG(40pin)を折って使用
秋月電子、C-001672.62510.5
ピンヘッダJ1, J82ピンヘッダ 1×2pin
2.54mmピッチ
ミュート、クロック信号用
例:PH-1x40SG(40pin)を折って使用
秋月電子、C-001671.753.5
インダクタL1, L2210u面実装インダクタ12.3mm角
またはスルーホール
5、7.5、12mmピッチ
スミダ:CDRH127/LDNP-100MC秋月電子、P-13965120240
トランジスタQ112SC1815TO-92(NPN_ECB)ミュート用秋月電子、I-008811010
テストポイントTP1, TP2,
TP3, TP4
4テストポイントドリル径φ1チェック端子(黄色)秋月電子、P-075922080
ジャンパピン42.54mmピッチ、2極黒色秋月電子、P-03687416

部品代は基板を除いて約1565円です。また、単価は1個当たり(セット入りで余る分は考慮していません)なので、実際の支払い金額はこれより多くなります。

※リストに記載している部品は、実際の製作例では家に転がっていた別の部品を使用して製作する可能性がありますのでご了承ください。

基板レイアウトと完成予想3D

KiCADの3D表示:C面側
KiCADの3D表示:C面側
KiCADの3D表示:S面
KiCADの3D表示:S面側

基板サイズは秋月電子のユニバーサル基板Bタイプ(95mm×72mm)に合わせて設計しました。
せっかく作るので小型化なんてクソくらえで作ろうと思ってましたが、音質に関係なさそうな部分はチップ部品に頼ってしまいました。

ヒートシンクは不要とは思いますが、一応データシートに乗ってる純正のものを載せられるように穴を設けてみました。(ATS-TI10P-521-C1-R1、マルツ・Digi-Keyで売ってます)ただ、、、取付穴を恐らくミスっており、穴を広げる必要があるかもしれません(たぶんヒートシンク側はM4ネジに対して、基板の穴がφ3.2です。)
KiCADのデフォルトで有った、大きい穴周りに一周小さいビアがあるやつがカッコよくてつい採用してしまいました。(言い訳)

【追記】
ヒートシンクを試しに1個購入してみました。ネジ穴のピッチや取り付け穴径は問題なさそうです。
ヒートシンクのネジ穴は、#4-40のユニファイ並目ネジ(UNCの40山、直径約2.8mmくらい)になります。

ネジ穴深さは6.5mmなので、基板の板厚(1.6mm)を足すとネジ長さは5mm~7mm程度にしたいですね。8mmだと底突きしちゃう恐れがあります。
そして#4-40のネジがどこにも売ってないので探さねば…(Amazonでは買えるようです)

C面部品配置図
C面部品配置図
S面部品配置図
S面部品配置図

届いた基板

Elecrowで製作してもらい、到着した基板がこちらです。
前回頼んだ黄色のレジストが意外と良かったので、今回も黄色にしてみました。
ビアホールのレジストは抜く設定としてます。設定方法は別記事にまとめました。

基板:C面
基板:S面

組み立てと動作確認はこれからです。IRS2092のD級アンプ基板も途中になってますが、こちらのほうが単電源で扱い易そうなので先に作って試すかな~、と考えてます。

【追記】
動作確認を行いましたので、下記の記事にまとめました。


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