D級パワーアンプIC PAM8320を使用した基板を作ってみた

D級パワーアンプIC PAM8320を使用した基板の製作 自作基板
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Diodes Inc社の小型デジタルアンプ(D級アンプ)ICの基板をいくつか作りましたが、より出力電力の大きいPAM8320というICがあることを知りました。

調べてみると、PAM8320をつかった基板モジュールなどは、現時点ではあまり売られていないようなので、基板を作ってみることにしました。

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PAM8320について

PAM8320の主な仕様

電源電圧:4.5V~15V
入力仕様:シングルエンド、アナログ入力
出力電力:モノラル 20W(4Ω負荷、電源12V時、THD+N=10%)
     モノラル 15W(4Ω負荷、電源12V時、THD+N=1%)
効率:約95%(出力電力10W、8Ω負荷時)
スイッチング周波数:300kHz
パッケージサイズ:SOP-16 EP(裏面放熱パッドあり)

ICの入手先について

PAM8320は、秋月電子では現時点で取り扱い無く購入することができません。

・共立エレショップ(Farnell取り寄せ品):https://eleshop.jp/shop/g/g3367487/
・マルツオンライン:https://www.marutsu.co.jp/pc/i/2709420/
などで購入することができます。

デジキーでも取り扱いある様ですが、現在在庫なしとなっています。
https://www.digikey.jp/ja/products/detail/diodes-incorporated/PAM8320RDR/4570619

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回路図

今回の回路図は下記になります。

基本はデータシート、およびPAM8320純正の評価ボードの回路を参考にしています。

PAM8320の回路図

ゲイン計算について

ゲインは下記の式で計算することができます。(データシートより)

Rxは外部抵抗で、今回の回路図ではR3のことです。
ここが0Ωのとき、ゲイン最大の20倍(26dB)となります。

R3の抵抗値とゲインの関係を、下記の表にまとめてみました。

R3(kΩ)ゲイン(倍)ゲイン(dB)
020.0026.02
119.3225.72
4.717.1724.70
1014.8123.41
339.2819.35
1004.4412.96

今回は、R3の値は10kΩ(ゲイン14.81倍)で製作してみます。

入力カップリングコンデンサについて

入力カップリングコンデンサ(C3)の容量と、PAM8320の入力抵抗(40kΩ)により、カットオフ周波数は下記の式で計算できます。

・カットオフ周波数Fc=1/(2π×Ri×C3)

ここで、RiはPAM8320の入力抵抗40kΩとゲインを調整する外部抵抗R3を足したものです。

外部抵抗R3が無し(0Ω)の時、カットオフ周波数が最悪条件(高め)になります。

R3無し(0Ω)の時のカップリングコンデンサ(C3)の容量・カットオフ周波数の計算例を下記の表にまとめてみました。

C3(μF)カットオフ周波数(Hz)
0.2218.1
0.478.5
14.0

また、R3が10kΩの場合は下記の表のようになります。

C3(μF)カットオフ周波数(Hz)
0.2214.5
0.476.8
13.2

0.22μFでも問題なさそうですが、今回は0.47μFで製作してみます。

今回は基板サイズに余裕があるため、カップリングコンデンサは積層セラミックコンデンサではなく、フィルムコンデンサを使用する想定としています。

VCLANP、VCMのコンデンサについて

VCLAMP端子(7pin)に接続するコンデンサは、ブートストラップ用の内部生成電圧源用で、容量1μF、定格25V以上とされています。

VCM(4pin)は内部アナログ基準電圧端子です。

VCMコンデンサの容量は、電源ON・シャットダウン状態からの復帰時の起動時間に関わるとのことで、データシート上では0.47μF以上が推奨されています。(ポップノイズ抑制にはあまり関係ないと記載あります)

また、基準電圧の高周波ノイズ除去の機能もあります。

いずれも最短でチップセラミックコンデンサを接続するようにしていますが、お試しでC1、C5でリード部品のフィルムコンデンサなども接続できるようにしています。

出力のEMIフィルタについて

以前作成した、PAM8403/PAM8406のデジタルアンプ基板に使用した三端子タイプのEMIフィルタ(ムラタ DSS1NB32A221Q55B)を、今回も使ってみました。

これを使用する場合、C19~C20のコンデンサは接続不要です。

C21は実験的にお試しでパターンを入れています。(ノーマルモードフィルタとしての機能を期待)

シャットダウン端子について

シャットダウン端子(SDN、2pin)は、通常動作時はAVCC電源にプルアップ抵抗で接続しています。

J1端子の3-4ピン間をショートして、SND端子をGNDに接続することでシャットダウン状態になります。(出力ミュート、低消費電流)

※プルアップ抵抗に電流が流れるので、待機電力は少し増えます。

ミュート端子について

ミュート端子(MUTE、12pin)は、プルダウン時に出力ONとなります。シャットダウン端子とは逆ですね。

J1端子の5-6ピン間をショートして、MUTE端子をAVCC電源に接続することでミュート状態となります。

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部品リスト

今回の部品リストは下記になります。

品名参照名数量数値・仕様規格・フットプリント
アンプICU11PAM8320RDRSOIC-16_3.9×9.9mm_P1.27mm
入手先は上記参照
抵抗R1,R2210kΩアキシャルリード
DIN0207、L6.3mm_D2.5mm
P2.54mm(縦向き)
抵抗R3110kΩアキシャルリード
DIN0207、P10.16mm
1/4Wサイズ
抵抗R414.7Ωアキシャルリード
DIN0207、L6.3mm_D2.5mm
P2.54mm(縦向き)
コンデンサC1,C5未使用
(2)
1μF※カップリングコンデンサ
フィルムコンデンサ
L9.0mm、W6.4mm、ピッチ5-7.5mm
秋月電子:109792など
※C2,C7のチップセラミックコンデンサの
代わりのディスクリート部品
コンデンサC2,C7,
C14,C15
41μFチップ積層セラミックコンデンサ
1608サイズ
秋月電子:130397など
コンデンサC310.47μF※カップリングコンデンサ
フィルムコンデンサ
L9.0mm、W6.4mm、ピッチ5-7.5mm
秋月電子:109791など
コンデンサC41100μF電解コンデンサ
直径:5.0mm、ピッチ2.50mm
秋月電子:117877など(25V耐圧)
コンデンサC6,C11,
C12
310μFチップ積層セラミックコンデンサ
3216サイズ
秋月電子:130977など(耐圧35V)
コンデンサC8,C9,
C10
30.1μFチップ積層セラミックコンデンサ
1608サイズ
秋月電子:116143など
コンデンサC13,C16未使用
(2)
1μFセラミックコンデンサ
D5.1mm_W3.2mm_P5.00mm
秋月電子:108150など
※C14,C15のチップセラミックコンデンサの
代わりのディスクリート部品
コンデンサC17,C182470μF電解コンデンサ
直径:8mm、ピッチ3.5mm
秋月電子:117883など(25V耐圧)
コンデンサC19,C20未使用
(2)
220pFセラミックコンデンサ
D5.0mm_W2.5mm_P5.00mm
秋月電子:108106など
※FL1,FL2にフェライトビーズを使用する場合に接続
コンデンサC21未使用
(1)
100pFセラミックコンデンサ
D5.0mm_W2.5mm_P5.00mm
秋月電子:108063など
※オプション
EMIフィルタFL1,FL22ムラタ
DSS1NB32A221Q55B
2.5mmピッチx3ピン
ムラタ、DSS1シリーズ
秋月電子:110274
ピンヘッダJ116pin
2.54mmピッチ
2.54mmピッチピンヘッダ
1列×40(折って使う前提)
秋月電子:100167
ピンヘッダJ2,J322pin
2.54mmピッチ
2.54mmピッチピンヘッダ
1列×40(折って使う前提)
秋月電子:100167

KiCADで基板設計

いつもの通り、KiCADで基板パターン設計を行いました。

基板寸法は、50mm×33mmです。

基板パターン:表面

リード部品など背の高い部品を表側に配置しています。

四隅は、M3ネジの取り付け穴を置いています。

基板パターン:表面

基板パターン:裏面

PAM8320のアンプICと、面実装の積層セラミックコンデンサを裏面に配置しています。

また、このICの裏面には放熱パッドがあるので、手付け時にはんだを流し込めるように大き目のスルーホールを開けています。

基板パターン:裏面

3Dビュー表示

KiCADの機能で、3D表示させています。

表面:部品無しの状態

3Dビュー表示:表面、部品無し

表面、部品実装後のイメージ(EMIフィルタのモデルは準備していません)

3Dビュー表示:表面、部品あり

裏面、部品無しの状態

3Dビュー表示:裏面、部品なし

裏面、部品実装後のイメージ

3Dビュー表示:裏面、部品あり

部品レイアウト

表面の部品配置図(レジストマスク+シルク表示)です。

表面:部品配置図(レジストマスク+シルク表示)

裏面の部品配置図(レジストマスク+シルク表示)です。

裏面:部品配置図(レジストマスク+シルク表示)

一旦まとめ

Diodes Inc社のモノラル20W級のデジタルアンプ(D級アンプ)IC、PAM8320の基板を作ってみました。

進捗あればまた更新します。

参考リンク

PAM8320の公式サイトページ

当ブログで作ったデジタルアンプ(D級アンプ)基板の例

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