秋月電子で買ったフォトカプラ TLP2531を動かしてみる

フォトカプラTLP2531 部品・モジュール
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秋月電子で購入した東芝製フォトカプラ、TLP2531を動かしてみました。
フォトカプラは電気信号を光によって絶縁して伝達できる部品です。

マイコンとの絶縁や、電圧の違う回路の接続にどうかな~、と思って使い方の勉強のために買ってみました。

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TLP2531の仕様

・2回路入りのフォトカプラ(TLP550のデュアルタイプ)
・絶縁耐圧:2500Vrms
・電源電圧:12V以下
・入力電流:typ16mA、MAX25mA
・オープンコレクタ出力
・伝達遅延時間
 入力信号L→H(tpHL):typ0.2μs、MAX0.8μs
 入力信号H→L(tpLH):typ0.3μs、MAX0.8μs
 ※測定回路・波形は下記(東芝データシートより)

伝達遅延時間測定回路と波形(TLP2531のデータシートより)
伝達遅延時間測定回路と波形(TLP2531のデータシートより)

TLP2531は秋月電子で一個100円で売られています。

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回路図

今回の実験回路は下記になります。
3回路分の回路図になっています。(全て同じなので一回路目だけで説明・確認しています)

TLP2531の出力は入力信号と反転するため、ロジックIC(74HC14AP:シュミットトリガインバーター)を入れてさらに反転させています。

フォトカプラTLP2531の回路図

※基板の一部分を抜粋しているため、参照名が中途半端な数字でごめんなさい。

R2(470Ω)は、フォトカプラの入力LEDの電流制限抵抗です。
5V入力時にLEDのVfが1.7Vとして、電流が7mAほど流れる想定です。

フォトカプラの入力にパラレルで繋いでいるR5(1kΩ)は、ノイズや微小電流による誤動作を防いだり、入力LEDの接合容量の電荷を放電させて、ターンオフ時の遅れを改善する効果があるようです。

TLP2531はオープンコレクタ出力なので、R9(2kΩ)でプルアップしています。

R12とC7はフィルタ回路になっています。(10kΩと1000pFで約16kHz)
動作確認の部分で説明しますが、このフィルタが高速動作時に影響してくるので、使用する周波数に合わせて調整するか、もしくは無くしたほうが良さそうです。

また、R15(10kΩ)はロジックICの入力保護用です。※C7のからICへの電流を制限する。もう少し小さくても良かったかも。

ロジックIC(74HC14AP)の電源や未使用ピンは下記のように繋いでいます。
未使用の入力ピンがオープンだと出力が不安定になるので、VDD(5V)かGNDの何れかに接続します。

ロジックIC 74HC14APの電源ピン、未使用部の回路図
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動作確認

実際に基板を作って動作させてみました。
基板の写真は下記になります。
※ミスって2回路目の入力のアノードとカソードを逆に作ってしまいました。

製作した回路の写真

動作時の波形が下記になります。

CH1:フォトカプラ入力電圧(5V矩形波)
CH2:フォトカプラ出力電圧(ロジックICの入力部で測定)
CH3:ロジックICの出力電圧

フォトカプラ動作波形1kHz
フォトカプラ動作波形1kHz
フォトカプラ動作波形10kHz
フォトカプラ動作波形10kHz
フォトカプラ動作波形100kHz
フォトカプラ動作波形100kHz

入力周波数を1kHz時は正常に動作しています。

ただし、周波数を10kHz、100kHzと高くしていったところ、100kHzでロジックICの出力波形が出てこなくなりました。
また、10kHz時も動作していますが、フォトカプラの出力波形がなまっていて、ロジックICの出力波形も10μs以上遅れています。

これは、フォトカプラ出力に付けたフィルタ回路のカットオフ周波数が低すぎたせいだと思われます。(R12:10kΩとC7:1000pFで約16kHz)

対策として、とりあえずフィルタ回路のC7:1000pFを外して動作確認してみました

フォトカプラ動作波形10kHz(C7無し)
フォトカプラ動作波形10kHz(C7無し)
フォトカプラ動作波形100kHz(C7無し)
フォトカプラ動作波形100kHz(C7無し)
フォトカプラ動作波形1MHz(C7無し)
フォトカプラ動作波形1MHz(C7無し)

フィルタ回路のC7を外したところ、100kHzで動作することを確認出来ました。
ただし、1MHz時は動作不可でした。(900MHzあたりまで)

R12、R15(10kΩ)をジャンパすると下記のように出力波形が出てきました。
※オシロのプローブを繋げただけでも、上記抵抗とプローブの容量成分によりフィルタになり、波形が変わります。まったく余計なものを付けてしまいました。

フォトカプラ動作波形1MHz(フィルタCR無し)
フォトカプラ動作波形1MHz(フィルタCR無し)

フォトカプラの入力電圧とロジックICの出力電圧の遅延時間を見ると、
入力信号L→H(tpHL):約0.3μs
入力信号H→L(tpLH):約0.5μs
となりました。ロジックICのスレッショルド電圧の影響もあると思いますが、ほぼデータシート通りですね。
tpLHの方が大きめのため、Duty比が変わってしまいました。

まとめ

秋月電子で購入した東芝製フォトカプラ、TLP2531を動作させてみました。
余計なフィルタ回路を付けたせいで、100kHz以上で動作しないというトラブルが出てしまいましたが、これを無くせば問題なく動作することを確認出来ました。

ただ、今回のTLP2531では、伝達遅延時間から見ても1MHz以上は厳しそうですね。
本当は電子ボリュームLM1972の信号入力部に付けてみたいなと考えていたんですが、データシートを見るとクロック周波数はTyp3MHz、Limit2MHzとなっているため、もっと高速なものを使ったほうが良さそうな感じです。

もっと高速なタイプの例:TLP2630やTLP2368、TLP2362など、秋月電子でも売ってました。完全に部品選定を間違えましたorz…

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