電子式ノギスやポータブルテスターの電池としてLR44(SR44)サイズのボタン電池が使われています。
これまではSR44は高いからLR44で我慢していましたが、100均(ダイソー)でSR44電池が売っていることに気付いたので購入してみました。
いずれも100円ですが、LR44は大体2個入り、SR44は1個です。どちらがお得なのか比較してみました。
ボタン電池LR44とSR44の違いとは
ボタン電池LR44とSR44の違いを下記にまとめてみました。
名前 | LR44 | SR44 |
方式 | アルカリ電池 | 酸化銀電池 |
公称電圧 | 1.5V | 1.55V |
寿命:SR44のほうが長期保存に耐える
LR44はアルカリ電池のため、長期間放置しておくと液漏れしてしまうことが多いです。
省電力で長期使用するような、ノギスやテスターの電池はSR44のほうが向いてますね。
電圧安定性:SR44のほうが良い(最後まで電圧が一定)
容量:SR44はLR44電池の2倍程度と言われています。
正直、SR44が100均で手に入るのであれば、そちらを使いたいですね。
LEDライトなど、消費電流が大きくて高頻度に電池を交換するような用途だとLR44の方が良いかもしれません。
放電特性を比較してみる
放電特性を比較するために、USBでデータロガーとして使えるテスターを使って調べてみました。
これがやりたかっただけじゃないか?と言われたら、その通りです。
ボタン電池の標準負荷電流は0.1mA~0.2mA程度と小さいのですが、その条件だと試験が長くなってしまう(おそらく数百時間単位)ので、今回は220Ωの抵抗で放電させてみました。
初めの電圧が不安定なのは、固定方法をいろいろ模索していた為ですw
比較結果が下記のグラフになります。
LR44とSR44の放電カーブの比較
思っていたのと真逆の結果になってしまいました。本当はSR44の方が長持ちでお得だね~と言いたかったのですが…
結果は見ての通り、LR44の圧勝でした。
この原因は、やはり試験時間を短くするために放電抵抗を220Ωにしてしまったせいだと思います。
酸化銀電池は省電力で長時間使用するような用途に向いているとされる為です。
SR44の真価を見るためには、放電抵抗を大きくして再チャレンジが必要ですね。
まとめ
100円ショップ(ダイソー)で売っているボタン電池の、酸化銀電池(SR44)とアルカリ電池(LR44)を比較してみました。
今回の結果では、放電抵抗が220Ωと小さすぎたため、LR44の方が長持ちするという結果になりました。
この結果から言えることは、消費電流5mA程度の比較的大きな負荷の場合は、LR44の方が良いということです。
SR44はもっと消費電流の小さい装置で真価が発揮できそうですが、その確認はまた再チャレンジしてみたいと思います。
今回、データ記録用に使用したテスターは下記になります。(HoldPeak HP-90K)
長期間の試験となると、テスターの電池が持ちそうにないので、外部給電できるように改造しても面白いかもしれませんね。
ちなみに、こういった試験に向いてそうな電子負荷も買ってましたが、ボタン電池には電圧・電流が低すぎて不向きそうなので使用しませんでした。