D級パワーアンプIC PAM8403/PAM8406を使用した基板を作ってみた

D級パワーアンプIC PAM8403/PAM8406を使用した基板を作ってみた 自作基板
当サイトのリンクにはアフィリエイト広告が含まれています。

秋月電子で買える小型8ピン面実装オーディオアンプICの基板を全部作りたい。

今回はDiodes Inc社のデジタルアンプ(D級アンプ)IC、PAM8403の基板を作ってみました。

PAM8403は16ピンでのICですが、1個あたり2回路入りです。
つまり、実質8ピンIC2つ分と考えてよいでしょう。

また、調べてみるとPAM8403は既に生産終了品のようで、後継にPAM8406があります。PAM8406はD級/AB級の切り替え機能があり、それ以外はピン配列も同じようです。

今回は、どちらのICでも使える想定で基板を作ってみました。

スポンサーリンク

PAM8403/PAM8406について

PAM8403の主な仕様

電源電圧:2.5V~5.5V
出力電力:3.2W(4Ω負荷、電源5V時、THD+N=10%)
     2.5W(4Ω負荷、電源5V時、THD+N=1%)
効率:87%(出力電力1W、8Ω負荷時)
スイッチング周波数:260kHz
パッケージサイズ:SOP-16

PAM8406の主な仕様

電源電圧:2.5V~5.5V
出力電力:5W(2Ω負荷、電源5V時、THD+N=10%)
     4W(2Ω負荷、電源5V時、THD+N=1%)
     ↑2Ω負荷に対応しているようです。
     3.14W(4Ω負荷、電源5V時、THD+N=10%)
     2.55W(4Ω負荷、電源5V時、THD+N=1%)
     ↑4Ω負荷においては、PAM8403とほぼ同じです。
効率:90%(D級動作時、出力電力1W、8Ω負荷時)
スイッチング周波数:250kHz
パッケージサイズ:SOP-16

パッケージは裏面放熱パッドあり・なしの2種類がありますが、パッドあり品はNRND(新規設計非推奨)のようです。

PAM8406の特徴として、D級/AB級の切り替え機能があります。

PAM8406は現時点で秋月電子には売っていませんが、共立電子などで購入できます。

スポンサーリンク

回路図

今回の回路図は下記になります。

PAM8403/PAM8406を使用した基板モジュールは、Amazonなどで安価な物が購入できます。

そのため、今回はあえて小型化せずにリード部品をメインで使って作るコンセプトで基板を作ってみました。

PAM8403/PAM8406を使用したパワーアンプ回路図

ゲイン計算について

PAM8403/PAM8406のICは、入力抵抗Ri=18kΩとフィードバック抵抗Rf=142kΩが内蔵されており、外付けの入力抵抗(回路図R1、R2)でゲインを設定します。

ゲインは下記の式で計算できます。
※R1=R2とします。

・ゲイン(倍)=2×Rf/(Ri+R1)
・ゲイン(dB表記)=20×log10{2×Rf/(Ri+R1)}

計算例を表にまとめてみました。

R1,R2(kΩ)ゲイン(倍)ゲイン(dB)
015.823.96
4.712.521.95
1010.120.12
207.517.47
474.412.81

R1=R2=0Ω(ショート)でゲイン最大になります。
今回は、10kΩでゲイン約10倍とする想定です。

入力カップリングコンデンサについて

入力カップリングコンデンサCi(回路図C1、C2)と入力抵抗Ri=18kΩ+外付け抵抗(R1、R2)より、カットオフ周波数fcは下記の式で計算できます。

カットオフ周波数fc=1/2π×(18kΩ+R1)×C1

計算例を表にまとめてみました。

C1,C2(μF)R1,R2(kΩ)カットオフ周波数(Hz)
1105.7
0.471012.1
0.221025.8
0.11056.8

データシートには、PA8403などを使用するポータブルシステムなどの小型スピーカーでは、100Hz~150Hz以下を再生する能力はほとんどないので、あまり欲張るな。という内容が書いてあります。

今回、カップリングコンデンサの容量を1μFにしようと考えていましたが、欲張りすぎかもしれません。
0.22μFくらいで良いかも?

MODE切り替えについて

PAM8406のみ対応の機能ですが、D級/AB級の動作切り替えを設定することができます。

9pin(MODE)をプルアップ:D級アンプとして動作
9pin(MODE)をプルダウン:AB級アンプとして動作(電力効率は悪化します)

9pin(MODE)は、オープン状態にするなとデータシートに記載されているため、R4でプルアップしています。

※PAM8403を使用する場合は、8pinはオープンにする必要があるため、R4は未接続としてください。

VREF端子のコンデンサについて

8pin(VREF)端子は内部アナログ基準電圧端子です。

バイパスコンデンサ(回路図C11、C12)を接続します。

データシート上では最適なTHDとノイズ性能のため、0.47μF~1μFのセラミックコンデンサが推奨されています。

そのため、最短距離で面実装チップセラミックコンデンサをC11に接続することにします。

また、容量を増やすことでポップノイズの低減などへの効果もあるようなので、C12でリード部品のフィルムコンデンサや電解コンデンサを接続できるようにしています。
(電解コンデンサを使用する場合は極性に注意!)

シャットダウンとミュート機能について

12pin(SHDN)をLoにすると、シャットダウン状態となります。

5pin(MUTE)をLoにすると、ミュート状態となります。

いずれのピンも内部プルアップがある様なので、プルアップ抵抗は入れていません。

出力のEMIフィルタについて

データシートでは、EMI対策として出力+側、-側にそれぞれフェライトビーズと220pFのコンデンサを入れることが推奨されています。

今回は、三端子タイプのEMIフィルタ(フェライトビーズ×2とコンデンサの構成)を使ってみました。

これを使用する場合、C13~C16のコンデンサは接続不要です。

これらのコンデンサを付けると、フェライトビーズとコンデンサのフィルタが2段付く感じになります。(問題は無いと思いますが・・・)

在庫限りと記載ありますが、秋月電子で売っている下記の様なリード部品のフェライトビーズを使う場合、FL1~FL4の1、3ピンに接続し、C13~C16のコンデンサを接続します。

スポンサーリンク

部品リスト

今回の部品リストは下記になります。

品名参照名数量数値・仕様規格・フットプリント
アンプICU11PAM8403
または
PAM8406
SOIC-16_3.9×9.9mm_P1.27mm
秋月電子:113715(PAM8403D)
共立電子:H4D412(PAM8406E※放熱パッドあり)
抵抗R1,R2210kΩアキシャルリード
DIN0207、P10.16mm
1/4Wサイズ
抵抗R311Ω~4.7Ω電源(VDD)フィルタ用
アキシャルリード
DIN0207、L6.3mm_D2.5mm
P2.54mm(縦向き)
抵抗R4110kΩアキシャルリード
DIN0207、L6.3mm_D2.5mm
P2.54mm(縦向き)
コンデンサC1,C220.22μF~1μF※カップリングコンデンサ
フィルムコンデンサ
L9.0mm、W6.4mm、ピッチ5-7.5mm
秋月電子:109791など
コンデンサC121未使用、または1μF~
※お好みで調整
※VREF端子のバイパスコンデンサ(C11とパラ)
フィルムコンデンサ、または電解コンデンサ
L9.0mm、W6.4mm、ピッチ5-7.5mm
秋月電子:109791
秋月電子:117897など(10μF電解コンデンサ)
コンデンサC3,C5,
C8,C11
41μFチップ積層セラミックコンデンサ
1608サイズ
秋月電子:130397など
コンデンサC41100μF電解コンデンサ
直径:5.0mm、ピッチ2.50mm
秋月電子:110271など(16V耐圧)
コンデンサC6,C9210μFチップ積層セラミックコンデンサ
3216サイズ
秋月電子:114741など
コンデンサC7,C102470μF電解コンデンサ
直径:8mm、ピッチ3.5mm
秋月電子:110273など(16V耐圧)
コンデンサC13,C14,
C15,C16
未使用
※(4)
未使用
※(220pF)
セラミックコンデンサ
D5.0mm_W2.5mm_P5.00mm
秋月電子:108106など
※FL1~FL4にフェライトビーズを使用する場合に接続
EMIフィルタFL1,FL2,
FL3,FL4
4ムラタ
DSS1NB32A221Q55B
2.5mmピッチx3ピン
ムラタ、DSS1シリーズ
秋月電子:110274
ピンヘッダJ11L字15pin
2.54mmピッチ
2.54mmピッチピンヘッダ
L字、1列×40(折って使う前提)
秋月電子:101627

KiCADで基板設計

今回もKiCADで基板パターン設計を行いました。

基板寸法は、50mm×33mmです。
(いつものことですが、100mm×100mm以下で多面取りしたいという下心があります)

基板パターン(表面)

リード部品など背の高い部品を表面に配置しています。

表面の基板パターン

基板パターン(裏面)※透視図

PAM8403/PAM8406のアンプICと、面実装の積層セラミックコンデンサは裏面に配置しました。

もし、アンプICが壊れても交換可能(半田ごてを当てやすい)とするためや、放熱のためヒートシンクへの貼り付けなどを想定しています。

裏面の基板パターン(透視図)

3Dビュー表示

KiCADの機能で3D表示させてみました。

表面、部品無し状態

3Dビュー表示:表面、部品無し状態

表面、部品あり状態(EMIフィルタのモデルは準備していません)

ピンヘッダは、L字のものを利用すればブレッドボードに挿すことも可能と思います。

3Dビュー表示:表面、部品あり状態

裏面、部品無し状態

ピンヘッダの各ピンの名前など、裏面に表示しました。

3Dビュー表示:裏面、部品無し状態

裏面、部品あり状態

3Dビュー表示:裏面、部品あり状態

部品レイアウト

表面の部品配置図です。

部品レイアウト:表面

裏面の部品配置図です。

部品レイアウト:裏面

一旦まとめ

Diodes Inc社の2回路入りデジタルアンプ(D級アンプ)IC、PAM8403/PAM8406の基板を作ってみました。

現状基板パターン設計までですが、進捗あればまた更新します。

参考リンク

中華アンプ基板モジュールを買ったほうが安いし早いよという方はこちら。

共立電子のキットもあります。

その他、当ブログで作った8ピンICアンプ基板

タイトルとURLをコピーしました