HoldPeak HP-770Dは40000カウントで比較的お手頃価格で買える中華テスターです。
テスターとして一通りの測定機能と、電流・電圧誤挿入防止のシャッター、バーグラフ、オートバックライトと機能が盛りだくさんのテスターです。
※足りないのはPC接続機能くらい?
中身がどうなっているのか興味本位で分解してみました。
動作確認・レビュー記事は下記をご覧ください。
外観写真
外観の写真を改めて載せておきます。
・電池フタ開封
この状態でもヒューズが交換できるように開口部があります。
・ラバーカバー取り外し
ちょっとだけスリムになりましたが、あまり変わりません。
分解してみる
分解方法
カバー開封
電池フタとラバーカバーを外した状態から、下側のネジ2本を外すと裏側のカバーを取り外すことが出来ます。
メイン基板の取り外し
基板上のネジが多いですが、写真左側の中心3本と、左から2列目の2本は液晶パネル固定用のネジのため、外さなくても良かったです。
※というか、外すと元に戻すのが大変です。
ネジの長さも微妙に違う気がします。(短いほうを液晶パネル側に使って元に戻しました)
ネジが何故か若干錆びていました。
メイン基板が外れました。
スイッチパネル側
ロータリースイッチは、誤挿入防止のシャッターがあるため少し複雑な形状をしています。
入力端子部は端子むき出しではなく、しっかりした別パーツにネジ止めされています。
スイッチパネル側の基板です。
先端に赤・緑色のLEDと、オートバックライト用のCdSセル(光センサー)があります。
青色のパーツは、トランジスタのhFE測定用のコネクタです。
基板上のネジを全て外していたので、液晶パネル部分も外れました。
ロータリースイッチの先端が光る仕様になっており、中心部にLEDが仕込んであります。
スイッチの先端に向けて導光板のようなパーツがあります。手が込んでますね。
元に戻す方法
端子誤挿入防止用のカバーがあるので、ズレた状態だと組み立てがうまくいきません。
正解は下の写真の位置になります。
基板の写真
黒丸で樹脂封入されたCOB(チップオンボード)実装ではなく、久しぶりにちゃんとパッケージされたICを見ました。嬉しいですね。
先端の金属パーツは、NCV用のアンテナのようです。
一番大きいIC(N202 HY11P14と記載有り)
HYCON Technology社製のHY11P14というICが使われています。(LQFP100パッケージ)
調べたところ、「Embedded 18Bit ΣΔADC、8Bit RISC Like Mixed Signal Microcontroller」だそうです。マイコンですね。
4×40のLCDドライバー機能や低ノイズオペアンプ機能なども内蔵されているようです。
2番目に大きいIC(N200 HY3131と記載あり)
同じくHYCON Technology社製のHY3131というICが使われています。
50000カウントのテスター用アナログフロントエンドICです。
その他のIC
EEPROM:24C02Nと記載有ります。
電圧リファレンスIC:LM385Z-1.2が使われています。
入力端子まわり
入力端子部周辺の写真を載せておきます。
電流20Aレンジ用のシャント抵抗は端子の下側にあります。(R16)
シャントに太い線でジャンパしてありますが、発熱対策でしょうか。
電池カバー開封時から見えていましたが、500mAと20Aの電流レンジにそれぞれ白いヒューズがあります。セラミックヒューズでしょうか。耐圧は500Vと記載あります。
電圧入力部の保護用のPTC素子が端子部付近にあります。
入力端子部の樹脂パーツを横から撮影してみました。
ロータリースイッチ用のLEDが表側に向けて実装されています。
基板上のシルクに「770D Rev2.0 2015.5.8」と記載あります。結構前から売っている機種なんですかね。
まとめ
40000カウントの中華テスター、HoldPeak製のHP-770Dを分解したのでまとめてみました。
40000カウントのテスターとしては、比較的お手頃価格で購入出来るテスターで、誤挿入防止シャッターや先端が光るロータリースイッチなどのギミックも面白いですね。
基板や入力端子回りもANENG AN870よりはお金がかかっている感じがします。
個人的には気に入っているので、今後も大事に使っていきたいと思います。
HP-770Dの動作確認、レビュー記事です。
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