DCも測れる中華クランプメータ ANENG ST209を分解してみた

クランプメータANENG ST209分解 計測機器
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以前購入していたANENG製のクランプメータ ST209を分解してみたので紹介します。

ST209はAC電流だけでなく、DC電流も測定可能なクランプメータです。
電圧や抵抗値、コンデンサも測定出来るので、6000カウントのテスターとしても普通に使えます。

DC電流を測るためのホールセンサがどこかに入っているはずですので、確認するために興味本位で分解してしまいました。

動作確認・レビュー記事は下記になります。

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外観写真

ST209 本体表側
ST209 本体表側
ST209 本体裏側
ST209 本体裏側

電池は単4電池2本で動作します。私はニッケル水素電池を入れて動かしています。
電池フタ部のネジはインサートナットがあります。

ST209 電池フタ開封
ST209 電池フタ開封

ANENG ST209の動作確認のようすは、下記の記事で紹介しています。

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分解してみる

裏側のネジ3本を外すことで、簡単にカバーが外れました。
カバーは電池BOXを兼ねていて、板バネで基板のパッドに接触させているようです。

裏側のカバー取り外し
裏側のカバー取り外し

メインのICは樹脂封止されており、よくわかりません。

基板部の写真
基板部の写真

クランプの部分からフラットケーブルと電線が1本出てきています。
トリガーの部分はバネでとまっています。

基板部の写真(クランプ接続部)
基板部の写真(クランプ接続部)

フラットケーブルを抜いて、バネを樹脂ボスから引き抜きました。(バネが勢いよく取れるので注意)
クランプ部を真上に持ち上げると外れます。

クランプ部の取り外し

基板を止めているネジ6本を外すと、ケースから基板が取り外せました。分解しやすい構造ですね。

ケースから基板取り外し

基板表側(スイッチ側)には、回路保護のためのPTCサーミスタがあります。
電流はクランプで測る前提の製品なので、普通のテスターのようにガラス管ヒューズやシャントなどは無く、シンプルな構造です。
赤黒の線は液晶のバックライトLEDの配線のようです。

基板表側(スイッチ側)
基板表側(スイッチ側)

ブザーの横にあるIC(TO-92パッケージ)は、刻印から調べてみると、TI社製の電圧リファレンスIC、LM385-2.5のようです。

TI製の電圧リファレンスIC、LM385-2.5

フラットケーブルを抜いた後の基板の写真を載せておきます。
I333と書いてあるICは、TI社製の計装アンプIC(計測アンプ) INA333でしょうか。フラットケーブルに繋がっているので、ホールセンサの出力の増幅に使っているようです。

基板部のクローズアップ(フラットケーブル抜き取り後)
基板部のクローズアップ(フラットケーブル抜き取り後)

※参考リンク(Amazonで売ってるINA333モジュール)

基板のメインIC周りの写真を載せておきます。
入力部の抵抗はMELF抵抗が使われていますね。
PTCサーミスタのはんだが付いてない様に見えますが、表側ではちゃんと付いていました。(電解コンデンサが近くて邪魔なので表からはんだ付けしたんでしょうか?もしくは表面で電解コンデンサをはんだ付けするついでにって感じですかね。)

基板部のクローズアップ(メインIC付近)
基板部のクローズアップ(メインIC付近)

クランプ部は2個のパーツに分割できます。
この中にあるコアや使用されているホールセンサを見たかったのですが、溶着されていて破壊しないと分解できなさそうだったので、今回はここで止めておきます。

クランプ部の分解写真

クランプ部の樹脂ケース(フラットケーブル側)
フラットケーブルの入っていく向きを見て、本体側のクランプ部の合わさる箇所付近にホールセンサがありそうです。

クランプ部(フラットケーブル側)

クランプ部の樹脂ケース(リード線側)
中に金属製のコアが見えます。(ケイ素鋼板でしょうか?)
このリード線はコアのアース線かと思っていましたが、NCV機能のアンテナ線かもしれません。

クランプ部(リード線側)

まとめ

6000カウントの中華クランプメーター、ANENG製のST209を分解してみました。
値段の割にはしっかり作られている感じがしますね。
ただし、樹脂ボスやそこに刺さっている樹脂パーツ部が割れてしまうと、一瞬でオシャカになってしまいそうなので、大事に使いたいと思います。(個人的には、バネが刺さっている細い樹脂ボスが怖いです)

通常のテスターとしての部分は、あまり高電圧を印加しないような用途で使いたいと思います。


ST209の動作確認記事です。

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