秋月電子で買える小型の8ピン面実装オーディオアンプICの基板を全部作る!
第3段は、Diodes Inc社のデジタルアンプ(D級アンプ)IC、PAM8302Aの基板を作ってみました。
PAM8302Aについて
PAM8302Aは、Diodes Inc社製のモノラルD級パワーアンプICです。
下記は秋月電子で購入した「PAM8302AADCR」です。
1個で40円と大変お求めやすい価格です。
電源電圧:2.0V~5.5V
SOP8(SO-8)パッケージで2.5W(4Ω)と高出力です。
D級アンプで高効率なためか、これまでに作成したアンプICのように裏面に放熱パッドもありません。
回路図
回路図は下記になります。
今回も基本、データシートの通りとしました。
PAM8302Aは差動入力に対応しているので、IN+とIN-を両方基板から引き出しています。
シングルエンド入力で使用する場合は、IN-をGNDに接続します。
SD端子はLoでシャットダウン状態になります。
起動時に電源電圧VDDから1ms~100ms遅れてHiになることが推奨されているので、10kΩでプルアップしつつ、C7(1μF)を追加しています。
足りなければ外付けで電解コンデンサを追加します。
出力はフィルタレスだとうたわれていますが、データシートではEMI対策としてフェライトビーズと220pFのコンデンサが推奨されているので載せておきます。
ゲイン(増幅率)の設定方法について
R1、R2はゲイン設定用です。
ゲインAは下記の式で求められます。
A=20×log{2×(Rf/Ri)}
ここで、データシートを読んだ感じ
Ri=10kΩ(内蔵)+ 外付けR1,R2
Rf=80kΩ(内蔵)のようです。
ということで、R1,R2を0Ωにすると、ゲイン24dB(PAM8302Aの最大)。
R1,R2を10kΩにすると、ゲイン18dBになるはずです。
勘違いかもしれないので、動作確認時に確認してみます。
部品リスト
使用する部品は下記になります。
品名 | 参照名 | 数量 | 数値・仕様 | 規格・フットプリント |
アンプIC | U1 | 1 | PAM8302AADCR | 8-pin SOP 秋月電子:I-14187 |
抵抗 | R1, R2 | 2 | 10kΩ | チップ抵抗 1608サイズ 秋月電子:R-14122 |
抵抗 | R3 | 1 | 10kΩ | チップ抵抗 1608サイズ 秋月電子:R-14122 |
コンデンサ | C1, C2 | 2 | 1μF | 薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP) 3216サイズ 秋月電子:P-07397 |
コンデンサ | C3 | 1 | 10μF | チップ積層セラミックコンデンサ 3216サイズ 秋月電子:P-17338 |
コンデンサ | C4 | 1 | 0.1μF | チップ積層セラミックコンデンサ 1608サイズ 秋月電子:P-13374 |
コンデンサ | C5, C6 | 2 | 220pF | チップ積層セラミックコンデンサ 1608サイズ 共立エレショップ:51413Z |
コンデンサ | C7 | 1 | 1μF | チップ積層セラミックコンデンサ 1608サイズ 秋月電子:P-14526 |
フェライトビーズ | L1, L2 | 2 | L | フェライトビーズ 1608サイズ 秋月電子:P-04444など |
ピンヘッダ | J1 | 1 | L型ピンヘッダ 1列×7極 | 形名:PH-1x40RG(2)※折って使用 秋月電子:C-01627 |
C1、C2はカップリングコンデンサなので、薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP)を使用したいですね。
基板上には載せないですが、電源ラインに電解コンデンサも追加したいところです。
製作した基板
3Dビューア表示
今回もKiCADでパターンを作成し、3D表示させています。
基板サイズは20mm×20mmで、ピンヘッダを使ってブレッドボードに挿すことが出来ます。
部品が少し多かったですが、すべて面実装部品なので片面に載せることができました。
放熱パッドが無いのも楽ですね。
部品レイアウト
部品レイアウトは下記になります。
面付け(パネライズ)して発注
今回も、100mm×100mmで25個取りでパネライズ(多面取り)して発注しました。
これがやりたくて、なるべく100mmに並べられる寸法で基板を作ってしまいます。
貧乏性でしょうか?
届いた基板
到着した基板の写真です。
今回もElecrow製です。
【仕様】
レジスト色:黄色
シルク色:黒色
基板板厚:1.0mm
表面処理:鉛フリー半田レベラー
銅箔厚:1oz(35μm)
まとめ
秋月電子で買った8ピンSOPパッケージの面実装オーディオアンプICの基板を全部作る!
第3弾として、D級パワーアンプIC PAM8302Aの基板を作ってみました。
製作と動作確認は、追って追記したいと思います。
参考リンク
買ったほうが早いよという方はこちら。
日清紡マイクロデバイス(旧:新日本無線)製のNJU72060の基板
HOLTEK製のHT82V73Aの基板
UNISONIC製LM386Gの基板