前回の記事で作った、面実装部品(SMD)を使ったダイヤモンドバッファ回路基板を製作して動作確認を行ったので記事にまとめます。
前編(回路図・部品表など)は下記のページを参照ください。
組み立て
実体顕微鏡で作業
今回のチップ抵抗は1608サイズなので、まだ肉眼でも製作可能ですが、より綺麗に作るために実体顕微鏡で見ながらはんだ付け作業をしました。
先日購入したLEDリング照明が役に立ちました。
私は中古の実態顕微鏡を使っていますが、液晶モニタのついた電子式のものも試してみたいですね。
トランジスタのhFEを測ってみる
今回使用するトランジスタは東芝製の2SC2712、2SA1162です。(SC-59、TO-236MODサイズ)
トランジスタテスター(Bside ESR02PRO)を使ってhFE(電流増幅率)を測定してみました。
この製品は面実装部品も置くだけでそのまま測れるので便利です。
本当はちゃんとhFEを選別して作ってみようと思っていましたが、測定したところ、NPN(2SC2712)とPNP(2SA1162)で規格の下限と上限くらいの差があったり、結構バラツキが大きかったりしたので諦めてそのまま使いました。
(どちらも同じGRランク品:hFE規格 200~400)
この位hFEが違ってもちゃんと動くのか試してみましょう。
完成品の写真
完成写真が下記になります。(右側は未実装のもの)
ピンヘッダ部に電源とか入出力の表示をするのを忘れていました。
後から思いましたが、部品をもう少し頑張って片面に収めて、ネジ止め用の穴を真ん中に開けて、ヒートシンクに放熱シートを挟んでネジ止めする様な構成にしても面白かったですね。
動作確認
ブレッドボードで回路を組んでみる
動作確認のため、オペアンプNJM4580DDを使ってテスト用の非反転増幅回路を組んでみました。
オペアンプの出力に今回のダイヤモンドバッファ回路基板を挿入しています。
テスト回路は前編のシミュレーションとほぼ同じ回路ですが、信号入力部に可変抵抗(RV1)と直流カットのカップリングコンデンサ(C3)を挿入しています。
今回はモノラルですが、2チャンネル分作って、そのままヘッドフォンアンプ等に使えないかと考えております。
電源電圧:±5V
増幅率(ゲイン)は、Rs=2.2kΩ、Rf=20kΩとして、ゲイン=1+Rf/Rs≒10倍です。
負荷はダミーで100Ωのセメント抵抗を接続しています。
今回は動作確認なのでブレッドボードで作りましたが、簡単な回路なのにこんなにゴチャゴチャになってしまいました。
ブレッドボードは苦手なので、やっぱり基板を作りたいですね。
波形確認
入力電圧約200mVpp時の出力波形を確認してみました。
増幅率10倍より少し小さいですが、100Hz~100kHzまでほぼ一定で増幅出来ていることを確認出来ました。
波形をオシロで見た感じでは、クロスオーバーひずみなどは無さそうに見えます。
(入力波形がちょっとノイジーに見えますが…)
入力電圧を大きくして、出力電圧がクリップするのを確認してみました。
入力電圧1Vpp時は出力電圧は約6.7Vppでクリップしています。これは、使っているオペアンプ(NJM4580DD)の仕様によるものと考えます。
まとめ
面実装トランジスタを使ったダイヤモンドバッファ回基板の動作を確認してみました。
今回はブレッドボードで組んでオシロスコープでの簡単な波形確認だけですが、ちゃんとオペアンプ部の基板も作ってヘッドフォンアンプに仕上げたり、ひずみ率や周波数特性も測ってみたいですね。
前編(回路図・部品表など)は下記の記事を参照ください。